リードの初期精度を上げていくために
公開日時:2025/01/15
更新日時:2025/01/15
デジタルマーケティング部で働き始めて3年が経ちました。最近は主にMQL(Marketing Qualified Lead)の質的調査を担当していて、日々リードの精度向上に取り組んでいます。
休日はよく野球観戦に行くのですが、先日バッティングセンターに行った時に、ふと仕事のことを考えていました。バッターボックスに立つと、次々とボールが投げ込まれます。それを打つか見送るか、瞬時に判断しなければいけません。これって、私たちがリードを評価する作業にちょっと似ているなと。
MQLの選別という仕事
デジタルマーケティングとしてのリード品質って
私たちデジタルマーケティング部門の主要なKPIの一つが、MQLの数です。でも、ただ数を追いかけるだけでは意味がありません。営業部門に渡すリードの質を上げることも、同じくらい重要な使命だと考えています。
最近、ある先輩から「君のリード評価、かなり保守的だよね」と言われました。確かにその通りかもしれません。でも、営業部門の方々の貴重な時間を無駄にしないためにも、慎重に見極めたいという思いがあります。
まずは事実確認
私のリード評価の基本的なアプローチをご紹介します。
まず最初に行うのが、基本的な事実確認です。企業規模、業種、部署、役職など、フォームに入力された情報の確認から始めます。しかし、入力された情報だけを鵜呑みにはしません。企業のウェブサイトやニュースリリース、各種データベースを使って、できる限り正確な情報を把握するように心がけています。
例えば先日、某大手企業の部長名でリードが来たのですが、LinkedInで確認すると実は既に退職されていたということがありました。こういった「詐称」とまでは言えないものの、正確性に欠けるデータは意外と多いものです。
次に既存の取引や資本関係や提携先なども
基本情報の確認が終わったら、次は既存の取引関係や資本関係、提携先などの確認に移ります。
これが実は結構難しい作業です。というのも、大企業になればなるほど、グループ企業や関連会社が多く、取引関係も複雑になってくるからです。既に取引のある企業からの問い合わせなのに、新規リードとして扱ってしまうと、営業部門での混乱を招きかねません。
かといって、完璧を求めすぎると作業が進まなくなります。私の場合は、メインとなる企業グループまでは必ず確認するようにしていますが、あまり細かい関連会社までは深追いしないようにしています。

本当にこんな作業で品質は高まるのだろうか?
正直なところ、時々疑問に感じることがあります。これだけ時間をかけて確認作業を行っても、結局のところ「このリードは本当に有望なのか?」という本質的な判断は、なかなか難しいのです。
野球に例えると、バッターボックスに立って、投球の球種は見極められても、その球を打てるかどうかまでは分からないような感覚です。
もう一歩進めた精度向上とは
高額なツールを使わなくてもできること
確かに、高度なリードスコアリングツールや予測分析ツールを導入すれば、もっと精度の高い評価ができるかもしれません。でも、予算の制約もあり、すぐには導入できない現実もあります。
そこで私が最近取り組んでいるのが、過去のデータの分析です。これまでMQLとして営業部門に渡したリードの中で、実際に商談に進んだものとそうでないものを比較分析しています。
例えば、どのようなコンテンツをダウンロードしたリードが商談に進みやすいのか、どの業種からの問い合わせが成約に結びつきやすいのか、といったパターンを探っています。
この分析には特別なツールは必要ありません。エクセルで十分です。地道な作業ではありますが、少しずつですが、有用なインサイトが得られてきています。
SQLにもっと活きの良いデータを提供するために
最近、営業部門の方々とミーティングを重ねる中で気づいたことがあります。私たちが提供するリード情報の中で、実は営業活動にあまり役立っていない項目があったのです。
逆に、「もっとこういう情報があると助かるのに」という声もよく聞きます。例えば、問い合わせの背景にある課題や、導入検討のタイミングといった情報です。
そこで現在は、リードの評価基準の見直しを進めています。単純に「正確な情報かどうか」だけでなく、「営業活動に役立つ情報かどうか」という視点を強化しようと考えています。
なんだか、バッティングセンターでただ球種を見極めるだけでなく、どうやって打てば良いかまで考えられるようになってきた感じでしょうか。
まだまだ試行錯誤の毎日ですが、一つひとつの経験を大切にしながら、リードの精度向上に取り組んでいきたいと思います。そして、いつか私たちの活動が会社の売上向上に大きく貢献できる日が来ることを信じて、日々の業務に取り組んでいます。
野球観戦では、バッターが投球を選び、ベストのタイミングで打つ瞬間に、いつも心を奪われます。デジタルマーケティングの仕事も、同じように正確な判断と適切なタイミングが求められる。そう考えると、趣味の野球観戦が、仕事のヒントを与えてくれているのかもしれません。