数学やっぱり必要ですよぇ - グラフ理論に触れてみた -
公開日時:2025/01/26
更新日時:2025/01/26
高校時代、数学の授業で真っ白になった黒板。数式を前にすると、頭の中が真っ白になり、理解できない自分にフラストレーションを感じていた。文系学部に進学した私にとって、数学は遠い世界の存在。赤点をとらないだけで精一杯だった数学の授業は、まるで外国語を学ぶような難しさがあった。
当時の私は、「この先どう役立つのか」という素朴な疑問を抱えながら、数学から逃げていた。「文系だから」「苦手だから」という言い訳を重ねて、数学との関係を完全に断ち切ってしまったのだ。しかし今、デジタルマーケティングの最前線に立つ身として、その選択を深く後悔している。
心苦しき数学とのお付き合い
デジタルマーケティングの世界は、想像以上にデータと数学に溢れている。新卒で入社してから、毎日のように向き合うスプレッドシートやデータ分析ツール。最初は表面的な操作だけで何とかなっていたが、同期や先輩たちの分析を見るたびに、自分の理解の浅さを痛感するようになった。
上司や他部署へのプレゼンテーションで、統計的な裏付けのない提案は説得力を欠く。「なぜその数字なのか」「どのようなロジックでこの結果に至ったのか」と問われたとき、Excel の基本的な計算式では到底答えられない。データサイエンスの知識が乏しい自分が、本当に専門性の高いマーケターと呼べるのだろうか。
同期の理系出身の同僚たちは、高度な統計分析を駆使して、クライアントに驚くべき洞察を提供している。彼らの分析レポートは、数学的思考の深さと、データから紡ぎ出す物語の美しさに満ちている。「私も彼らのように、データの奥深さを理解したい」と心底思うようになった。

デジタルマーケティングでは数学を用いる瞬間は多い
マーケティングにおける数学の重要性は、もはや疑う余地がない。顧客ターゲティング、コンバージョン率の予測、広告効果の分析、A/Bテスト、機械学習を用いたレコメンデーションシステム。これらすべてが、高度な数学的思考なしには成り立たない。
デジタル広告の入札戦略一つをとっても、リアルタイムでの複雑な計算アルゴリズムが働いている。クリック率、コンバージョン率、顧客獲得単価など、数字の裏に潜む法則性を理解することで、初めて効果的なマーケティング戦略が立案できるのだ。
そろそろ数学と向き合うときがきそう
悩んだ末、小さな一歩を踏み出すことにした。「逃げ続けるわけにはいかない」という決意と、「本当にできるだろうか」という不安が入り混じりながら。同期の理系の友人に相談したところ、「グラフ理論」がデジタルマーケティングに役立つと薦められたのだ。
この提案は、私の中に新たな可能性の扉を開いてくれた。これまで数学は難解で近寄りがたいものだと思っていたが、実はビジネスの世界と密接に結びついていることを知った。
私でもとっつきやすいデジマでつかう数学
グラフ理論ってなに? 最初は聞き慣れない言葉に戸惑った。ネットワークやつながりを数学的に解析する学問だと分かってきた。一体何の役に立つのだろうか。
調べれば調べるほど、グラフ理論の可能性に魅了された。SNSの影響力分析、ウェブサイトのユーザー行動分析、顧客ネットワークの可視化など、デジタルマーケティングにおける応用範囲の広さに驚いている。複雑な人間関係やデータの流れを、数学的な視点で客観的に捉えられることの面白さを、今まさに発見しつつある。
デジマで使えるグラフ理論の魅力は、まさにこの「つながり」を科学的に解明できる点だ。単なる点と線ではなく、そこに潜む関係性の本質を数学的に理解できるのである。マーケターとして、この視点は計り知れない価値を持っている。
使える書籍「グラフ理論入門:基本とアルゴリズム」を手にっとてみた。最初は拒絶したくなるような気持ちもあったけれど、深呼吸して一ページずつ丁寧に読み進めることにした。分からない言葉は、オンライン辞書や専門サイトで調べながら、少しずつ理解を深めていく。数式だらけのようなことはない分野だけもあって、なんとか読み切った。いまは2周目です。
まずは少し触れてみた、次はどんなことを学ぼうか?
手に取った一冊が、私の数学との新たな関係の始まりになることを願っている。デジタルマーケティングのプロとして、データの奥深さを理解し、より説得力のある提案ができるようになりたい。
恐れず、でも焦らず、一歩ずつ前に進もう。数学との向き合い方は人それぞれ。私は自分のペースで、楽しみながら学んでいく。これからのデジタルマーケティングに求められる力を、着実に身につけていきたい。