Professional B2BLog

デジタル時代でもアナログ手帳

公開日時:2025/01/04

更新日時:2025/01/04


新年になって

今年も年末年始の休暇が終わり、静かなオフィスで新しい年の準備を整えています。デスクの上には、いつものようにディスプレイが2台、タブレット、スマートフォンが並び、その傍らに真新しい卓上カレンダーを置きました。デジタルツールに囲まれた私のデスク環境に、毎年この時期だけは新鮮な紙のプロダクトが彩りを与える感じがします。

カレンダーをめくりながら、チームのGoogle カレンダーを開き、最終四半期の主要なマイルストーンを確認していきます。四半期ごとの経営会議、月次のKPI報告会、週次のチームミーティング——。年間を通じて様々な予定が既に組み込まれています。

確かに、現代のビジネスツールは驚くほど進化しました。プロジェクト管理はJiraで、チーム内のコミュニケーションはSlack、文書管理はGoogle Workspaceと、すべてがクラウドで完結します。15年以上このフィールドで働いてきた私にとって、この利便性は時として魔法のように感じられます。幸いなことにこのようなツールを利用する最前線に居たことで、コロナ以降の新しい働き方に躊躇なく入り込めたなと思い返しています。(新しい人達の感性に沿ってるかは、、、わからないですね)

個人のワークスペースでデジタルガジェットに囲まれて仕事をしていますね
個人のワークスペースでデジタルガジェットに囲まれて仕事をしていますね

あえて手帳を使う

しかし、そんなデジタルツールに囲まれた生活の中で、私は今年も一冊の手帳を机の上に置きました。「なぜ?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。デジタル化が進んだ現代に、なぜアナログの手帳なのか。

その理由は、私たちの仕事の本質に関わります。デジタルマーケティングの世界では、データドリブンな意思決定が重要視されます。しかし、日々の業務の中には、まだまだ定型化できない、人間の創造性や直感に依存する部分が数多く存在します。新規事業の構想、クリエイティブの方向性、チーム育成の戦略など——。

毎朝、出社する前にまず行うのはドトールで手帳を開くことです。残ったタスクを書き写し、今日のタスクを書き足し、優先順位を整理していきます。デジタルツールでも同じことはできますが、手書きで行うことで、より深く考えを掘り下げることができるのです。

アイデアが浮かんだとき、私はよく手帳にマインドマップを描きます。矢印を引き、円を描き、時には図表を書き込みながら、思考を整理していきます。キーボードでは表現しきれない自由な発想が、ペンを走らせることで生まれてくるのです。

今年使っているのは、方眼紙のモレスキンの手帳です。シンプルでありながら上質な紙質、程よい厚みのページ、落ち着いた装丁。手に取るたびに、「今日も良い仕事をしよう」という気持ちが湧いてきます。そして、眼の前に広がる方眼の世界は、形のないものを整理して形のあるように仕向けるために重要なものです。

デジタルとアナログの共存

実は、この手帳の使い方にも、デジタルツールの知見が活きています。タスク管理の方法は、カンバン方式を参考にしています。重要度と緊急度のマトリクスで優先順位をつける習慣も、プロジェクト管理ツールから学んだものです。

デジタルとアナログ、一見相反するように見えるこれらのツールを、状況に応じて使い分けることで、より効果的な仕事が可能になります。チームとの情報共有やデータ分析はデジタルで、個人の思考整理や創造的な作業はアナログで。それぞれの良さを活かすことで、より豊かな仕事ができるのではないでしょうか。

新年の展望

2025年、デジタルマーケティングの世界はさらなる変化を迎えることでしょう。AIの進化、プライバシー規制の強化、新たなプラットフォームの台頭——。その中で、私たちは常に学び、適応し続けなければなりません。

しかし、どれだけテクノロジーが進化しても、ビジネスの本質は「人」にあると私は考えています。手帳に向かい合う時間は、自分自身と対話する貴重な機会です。アイデアを育て、戦略を練り、時には悩みを書き留める。そんな静かな時間が、より良い意思決定につながっていくのだと信じています。

新しい手帳の1ページ目には、今年の目標を書き込みました。「データに基づきながらも、直感を大切に」。デジタルとアナログ、その両方の良さを理解する私たちだからこそ、新しい価値を生み出せるのではないでしょうか。

今年も、この手帳とともに、新たな挑戦の1年を歩んでいきたいと思います。

おすすめ記事

最新記事