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Googleリスティング広告が芯を喰ってるとは限らない

公開日時:2025/01/14

更新日時:2025/01/14


私は6年間営業として働いた後、この4月からデジタルマーケティング部門に異動となり、主にリスティング広告を担当しています。異動が決まった際、上司から「Google広告をしっかり押さえておけば大丈夫」と言われましたが、1年が経った今、その言葉の意味を深く考えさせられています。

「Google広告をおさえておけば問題ない」と言われたが

部署異動して、Googleを知ることから始まった

異動が決まった時、正直なところ不安でいっぱいでした。営業の世界では、お客様の表情を見ながら商談を進め、その場の空気を読みながら提案を組み立てていく。そんな仕事に慣れていた私にとって、デジタルの世界は得体の知れないものでした。

最初の3ヶ月は、ひたすらGoogleの仕組みを学ぶ日々。検索連動型広告の基本から、入札戦略、キーワードのマッチタイプ、そしてランディングページやWebサイトの検B2B向けデジタルマーケティングにおけるGoogleリスティング広告の真価を考える索最適化まで。画面の向こう側にいるユーザーの行動を想像しながら、どうすれば効果的なアプローチができるのか、考え続けました。

改めて感じる検索広告でのGoogleの絶対さ

B2B領域において、Googleの存在感は圧倒的です。特に日本市場では、検索エンジンのシェアが約75%を占めているとされています。ビジネスの意思決定者たちが情報を求める時、まず最初に開くのがGoogle検索である可能性は非常に高い。

そして、B2Bならではの特徴として、検索キーワードの専門性の高さがあります。「工作機械 自動化」「生産管理システム 導入」といった具体的なキーワードで検索する層は、すでに課題意識を持ち、具体的な解決策を模索している可能性が高い。そういった意味で、Googleリスティング広告は非常に効果的なツールだと実感しています。

B2BではGoogleだけで良いのか?

しかし、ここ最近、ある疑問が頭をよぎるようになりました。本当にGoogleだけで十分なのだろうか?という問いです。

営業時代、お客様先で様々な環境を目にしてきました。中にはセキュリティポリシーで特定のブラウザしか使用できない企業もあれば、社内システムの都合でMicrosoft Edge(旧Internet Explorer)が標準という会社も少なくありませんでした。

何であればGoogleの代替になるのか

そんな都合のよいものはない

結論から言えば、Googleの完璧な代替となるものは存在しません。しかし、それは逆に言えば、Googleだけに依存することのリスクも示唆しています。

私たちのターゲットとなる企業の意思決定者は、必ずしもGoogleだけを使用しているわけではありません。むしろ、様々な制約の中で情報収集を行っているのが実態ではないでしょうか。

相手の環境に目配せすることの重要さ

ここで重要になってくるのが、ターゲット企業の実際の利用環境への理解です。例えば、Windows PCを標準環境として採用している企業では、Microsoft Edgeが既定のブラウザとなっていることが多く、そこではBing検索が使用される可能性が高くなります。

Microsoft広告(旧Bing広告)の出稿を検討する価値は十分にあります。特に大手企業や官公庁など、セキュリティポリシーの厳しい組織をターゲットとする場合、この視点は重要になってきます。

営業を経験した自身の強みはこういうところで活きてくる

ここで私は、営業時代の経験が活きていることを実感します。お客様先で見てきた実際の業務環境、システム環境への理解。それは、デジタルマーケティングの戦略を立てる上で、非常に重要な視点となっています。

デジタルマーケティングは、一見すると数字とシステムの世界に見えます。しかし、その本質は「人」への理解にあると私は考えています。どんな環境で、どんな制約の中で、どのように情報を探しているのか。その理解なくして、効果的なマーケティング活動はできないでしょう。

この1年間、私は「デジタル」と「リアル」の橋渡しの難しさに直面してきました。しかし今は、その両方を知っていることこそが、自分の強みになると確信しています。数値化できない「感覚」と、データに基づく「事実」。その両方を理解し、活用できる人材こそが、これからのB2Bマーケティングに求められているのではないでしょうか。

Googleリスティング広告は確かに強力なツールです。しかし、それは万能ではありません。むしろ、その限界を理解した上で、どう補完していくか。それを考え、実行していくことこそが、私たちB2Bマーケターの役割なのだと思います。

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